マンガでわかる「失敗から学ぶ、補助金」第3話「ルール違反で、補助金返還」

マンガでわかる「失敗から学ぶ、補助金」第3話「ルール違反で、補助金返還」
補助金は、新分野進出、生産性向上、収益力向上など、事業者の成長を後押しする心強い支援策です。上手に活用すれば、新しい取り組みに挑戦するきっかけにもなります。
一方で、補助金には厳密なルールがあります。補助金の目的外使用など、ルールを違反があった場合は、補助金の減額、交付決定の取消し、補助金の返還を求められることがあります。
また近年の補助金では、賃上げが重視されるようになっており、賃上げ目標未達の場合、返還が求められることもあります。詳細については、最新の公募要領でご確認ください。

補助金は「採択された事業」に対して交付(給付)

補助金は、国や自治体が政策目標を実現するために設けている支援制度であり、補助金ごとに目的が定められています。
補助金では申請時に「事業計画書」の提出が求められ、計画の内容が、補助金の趣旨や目的に合っているかが審査されます。そして、点数の高い順に採択されるというのが一般的な流れです。
つまり、補助金は「会社そのもの」ではなく、「採択された事業計画」に対して交付されるものです。
そのため、「同じ会社のために使うのだから問題ないだろう」「結果的に事業に役立つのだから大丈夫だろう」といった自己判断は非常に危険です。
また、採択された事業計画は原則として変更できません。「導入する設備を変更したい」「予算配分を変えたい」「事業内容を一部見直したい」など、やむをえず変更が必要になった場合は、事務局へ事前に相談し、定められた手続きを行い、許可を得る必要があります。

補助金の「目的外使用」は重大なルール違反

補助金は、採択された事業計画を実施するために交付されるため、本来の目的とは異なる用途に使う「目的外使用」は重大なルール違反です。
 
目的外使用としては、以下のようなケースが考えられます。
(1)設備導入のための補助金を、別の経費に使用
(2)交付決定前に発注した設備を、補助対象経費として申請
(3)補助事業とは関係のない部門や事業で、補助金で取得した設備を使用
(4)補助金で取得した設備を、承認なく売却・譲渡・貸付・転用・廃棄
(1)や(2)については、交付決定や補助金交付の段階で、補助金が減額されたり、交付されなかったりすることがあります。
後々、トラブルになりやすいのが、(3)や(4)のケースです。
たとえば、新規事業のために補助金で設備を導入したものの、思うように売上が伸びないため、その設備を別部門や別事業で使ってしまうようなケースです。このような場合は、事務局に相談し、補助金の一部を返還するなど、必要な手続きをとる必要があります。
また、補助金で取得した財産は、適切に管理する必要があります。承認を得ずに売却、譲渡、交換、貸付、担保提供、廃棄などともできません。
補助金で取得した設備や財産は、「自社のものだから自由に扱える」のではなく、「補助事業のために適切に管理・使用するもの」と理解してください。

賃上げ目標未達による返還に注意

近年の補助金では、「賃上げ」が重視されています。これは、補助金を活用して生産性や収益力を高め、その成果を従業員の処遇改善につなげるという考え方からです。
このことから、補助金に賃上げ要件や賃上げ枠・賃上げ特例が設置されるケースが増えてきました。
事業計画書の賃上げ目標を達成できない場合は、補助金の返還、優遇分の返還、補助金の不交付、今後の申請での減点などのペナルティがあります。
賃上げ要件については、制度によって内容や未達成時の扱いが異なりますので、最新の公募要領を確認してください。

〇賃上げ要件

申請にあたって必要な賃上げ要件の内容は、補助金によって異なります。主なものは次のとおりです。
事業場内最低賃金の引上げ 事業所内で最も低い時間給を、地域別最低賃金より一定額以上高くする要件です。パートやアルバイトを含め、最も低い賃金を確認する必要があります。
給与支給総額の増加 従業員に支払う給与、賃金、賞与などの合計額を一定割合以上増やす要件です。役員報酬などを含むかどうかは、制度ごとに異なります。
一人当たり給与支給総額の増加 従業員一人当たりの給与額を増やす要件です。従業員数が増えただけではなく、一人ひとりの待遇が改善しているかを確認するための指標です。

〇賃上げ枠・賃上げ特例

補助金のなかには、賃上げに積極的な事業者に対して、補助上限額の引上げ、補助率の優遇・審査上の加点などの優遇を行うものがあります。ただし、このような優遇を受けた場合は、定められた賃上げを必ず実行する必要があります。実行ではなかった場合、補助金の一部または全額の返還が求められる場合があります。
 
補助金には厳格なルールがあります。ルールに違反した場合、補助金が受け取れなくなったり、補助金の返還を求められたりすることがあります。さらに、悪質な場合には加算金・延滞金、交付決定取消、不正内容の公表、罰則につながります。申請にあたっては、必ず最新の公募要領を確認するようにしてください。

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