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マンガでわかる「失敗から学ぶ、補助金」第1話「補助金ありきの計画はダメ」
補助金は、国や自治体が政策目的を実現するために、事業者の生産性向上、新分野進出、販路開拓、デジタル化、省力化などを後押しする支援制度です。
しかし、「補助金ありき」、補助金に採択されることを目的に事業を計画すると、本来必要のない設備を導入したり、自社の方向性とは合わない事業を実施したりしてしまいかねません。
補助金はあくまで経営戦略を実現するための手段です。活用にあたっては、まず経営戦略を明確にしたうえで、事業計画を立て、自社の課題解決に必要な補助金を選ぶことが大切です。
なぜ、経営戦略が必要なのか
経営戦略とは、企業が将来に向けて「どの方向に進むのか」を明確にした基本方針です。
経営戦略が必要な理由の一つは、事業環境の変化に対応するためです。原材料費や人件費の上昇、人手不足、デジタル化、AIの普及、顧客ニーズの変化など、環境は刻々と変化しています。経営戦略を持つことで、外部環境の変化を踏まえながら、自社がどの方向に進むべきかを考えることができます。
限られた経営資源を有効に使うためにも、経営戦略は必要です。とくに、中小企業・小規模事業者では、ヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源に限りがあります。経営戦略があれば、重点的に伸ばす商品・サービス、強化すべき顧客層、投資すべき設備や人材等の優先順位が明確になります。
また経営戦略があれば、自社が「何を大切にするのか」「どの顧客にどのような価値を届けるのか」を経営者と従業員が共有することができます。社内の意思決定に一貫性が生まれます。
経営戦略の策定方法
経営戦略は、思いつきでつくるものではありません。自社の現状と外部環境を整理し、将来の方向性を明確にしたうえで、具体的な行動計画に落とし込む必要があります。
ステップ1 目指す会社の姿を決める
まず、「何のために事業を行っているのか」「将来、どのような会社になりたいのか」を整理します。経営戦略は、単なる数字の計画ではなく、企業の目指す姿を実現するため道筋を考えるものです。
ステップ2 外部環境と自社の現状を整理する
自社では直接コントロールすることができない外部環境(機会・脅威)、市場や社会の変化、顧客ニーズ、競合他社の状況を整理します。
また、自社の現状(強み・弱み)を整理します。顧客から評価されていること、技術、ノウハウ、人材、設備、販売網、ブランドなどの強みを、今後の事業にどう生かすかを考えます。
ステップ3 経営課題を整理する
外部環境と自社の現状を踏まえ、優先して解決すべき課題を決めます。
単なる困りごとではなく、「経営目標を実現するうえで何が障害になっているか」という視点で整理することが大切です。
ステップ4 基本方針を決める
経営課題をもとに、今後の方向性を決めます。たとえば、高付加価値商品に力を入れ、価格競争から脱却する、新分野に進出して売上の柱を増やす、設備投資によって生産性を高めるなどが考えられます。ここでは、「何を伸ばすのか」「何を見直すのか」「どこに投資するのか」を明確にします。
ステップ5 具体的な事業計画を立てる
基本方針を具体的な事業計画に落とし込みます。事業計画では、主に次の項目を整理します。対象となる顧客や市場、提供する商品やサービス、必要な設備・人材、売上・利益目標、スケジュール等をまとめていきます。
経営戦略にあわせて補助金を選ぶ
経営戦略が明確になり、課題が整理されたら、戦略や課題にあわせた補助金を選びます。
補助金は、国や自治体が政策目的を実現するために、事業者の取組に必要な経費の一部を支援する制度です。補助金によって、目的や要件、補助対象となる経費などが異なります。
たとえば、主なものとしては、以下のような補助金があります。
| 経営課題 | 取り組み | 補助金の例 |
|---|---|---|
| 販路を広げたい | 広告、展示会、Webサイトの整備 | 持続化補助金など |
| 生産性を高めたい | 機械装置、省力化設備の導入 | 省力化投資補助金など |
| 新商品を開発したい | 試作品開発、設備導入 | 新ものづくり補助金「革新的新製品・サービス枠」など |
| 事務作業を効率化したい | ITツール、クラウド、AIの導入 | デジタル化・IT導入補助金など |
| 新分野に進出したい | 新商品開発、新市場開拓、設備投資 | 新ものづくり補助金「新事業進出枠」など |
| 海外に進出したい | 海外向け商品開発、販路開拓 | 新ものづくり補助金「グローバル枠」など |
| 事業規模を拡大したい | 大規模投資、拠点整備、人材採用 | 成長加速化補助金など |
| 事業承継を進めたい | 承継後の設備投資・承継後の社内組織づくり | 事業承継・M&A補助金など |
最初に考えるべきことは、「どの補助金に申請するか」ではありません。
自社の経営戦略と現状の課題を整理します。
そして、売上を伸ばしたいのか、利益率を改善したいのか、人手不足を解消したいのか、業務を効率化したいのか、新分野に進出したいのかを明確にし、「その課題解決に使える補助金は何か」と考えていきます。
そして、売上を伸ばしたいのか、利益率を改善したいのか、人手不足を解消したいのか、業務を効率化したいのか、新分野に進出したいのかを明確にし、「その課題解決に使える補助金は何か」と考えていきます。
補助金は目的でなく、経営戦略を実現するための手段です。上手に活用して、自社の課題か解決につなげていきましょう。







