マンガでわかる「失敗から学ぶ、補助金」第2話「他人まかせは、超危険!」

マンガでわかる「失敗から学ぶ、補助金」第2話「他人まかせは、超危険!」
補助金の事業計画書は、経営者(事業者)が主体的に責任をもって作成してなくてはなりません。必要に応じて、専門家のアドバイスを受けることは有効ですが、丸投げは危険です。
他人まかせの計画は自社の実態と合わない内容になったり、採択後に事業を実施できなかったり、虚偽申請や報酬トラブルにつながったりする可能性があります。
とくに、悪質なコンサルタントには注意が必要です。申請支援だけで多額の報酬をもらい、事業実施中の支援や実施後の支援が十分にされないケースもあります。ご注意ください。

補助金の事業計画とは

補助金は、国や自治体の政策目的を実現するために、事業者の取組を支援する制度です。
そのため、補助金の事業計画には、「自社にとって必要な取組であること」と同時に「補助金の目的や要件に合っていること」が求められます。
たとえば、設備を導入する場合は、単に「新しい機械を購入したい」と書くだけでは不十分です。
現在どのような課題があり、その機械を導入することで何が改善され、売上・利益・生産性・品質・納期・省力化・賃上げなどにどのような効果があるのかを説明する必要があります。
つまり、「補助金を使って何を買うか」ではなく、「自社の経営をどのように改善・成長させるか」を示すことです。

補助金の事業計画の基本構成

補助金によって求められる項目は異なりますが、共通して必要となるものは、次のとおりです。
項目 概要
自社の概要 事業内容、商品・サービス、顧客、従業員、設備、技術、実績などを整理します。
経営課題 現在どのような問題があり、今回の事業で何をどのように解決するのかを明確にします。
市場や顧客の状況 市場の変化、顧客ニーズ、競合の動きなどを整理し、「なぜいま取り組む必要があるのか」を説明します。
自社の強み 技術、ノウハウ、顧客からの評価、過去の実績などを具体的に示します。
補助事業の内容 何を、どのように実施し、どのような成果を目指すのかを説明します。
目標 売上、利益、生産性、作業時間、販売数量、コスト削減額などを数字で示します。数値は「期待値」ではなく、過去の実績、市場データなどに基づいた根拠のある「予測値」にします。
事業者の強みを活かした実現可能性の高い計画を作成する必要があります。
実施体制 責任者や担当者、外部の協力先、設備導入後の教育方法などを明確にします。
スケジュール 発注、契約、納品、支払い、実績報告などの予定を整理します。

事業計画書は、経営者の責任で作成

補助金の事業計画は、経営者(事業者)が主体的に、自らの責任で作成します。
申請にあたって、専門家からのアドバイスは役立ちますが、実際に設備導入、人材育成、販売、資金管理などを行うのは専門家ではなく、事業者自身です。
また補助金は、すべての経費を負担してくれる制度ではありません。自己負担や一時的な立替払いが必要になる場合もあります。資金繰りや借入への影響まで考え、経営者自身が判断しなくてはなりません。
そして将来的には、事業環境の変化にあわせて、計画の軌道修正が必要となることも考えられます。事業者が計画を理解していなければ、適切に対応できません。
補助金の申請を他人任せにすると、自社の実態に合わない計画となり、現場で使えない設備やシステムを導入してしまい、経営の負担になってしまうこと考えられます。

悪質な補助金コンサルタントに注意

補助金申請を支援する事業者のなかには、補助金制度に不慣れな事業者を狙い、不適切な勧誘や高額請求を行う悪質な業者も存在します。とくに以下のようなケースには注意が必要です。
 

〇「必ず採択される」と言う

補助金は審査によって採択・不採択が決まります。「100%通ります」「絶対にもらえます」といった表現をする業者には注意が必要です。
 

〇事業内容を聞かずに申請をすすめる

補助金は、制度に会社を合わせるものではなく、会社の経営戦略に合う制度を選ぶものです。十分なヒアリングをせずに「この補助金が使えます」とすすめる業者は危険です。
 

〇実態と異なる内容を書くよう求める

補助金は公的資金であり、虚偽申請や不正受給は重大な問題です。責任は申請者である事業者に及びます。「少し盛った方が通りやすい」のように、実態と異なる記載を求める業者には注意してください。
 

〇採択後に高額な報酬を要求する

悪質なコンサルタントの中には、契約前に報酬を明確に説明せず、採択後に高額な成功報酬や追加費用を請求するケースがあります。

オンラインによる口頭審査では、経営者自身が事業を説明

近年、書類審査に加えて、オンラインによる口頭審査を実施する補助金が増えています。口頭審査では、コンサルタント等の社外支援者の同席は禁じられています。経営者(事業担当者)が審査員(外部専門家)に事業計画を説明しなくてはなりません。経営者が補助金の事業計画を十分に理解していなければ、審査員の質問に答えることはできません。

事業計画書の作成は、経営者が自社の経営について見つめ直す絶好の機会です。他人まかせにせず、経営を取り巻く環境、自社のあるべき姿、自社が抱える課題、課題解決のための取り組みなどについて、経営者が考え抜いて、納得できる計画を策定することが何よりも重要です。

あわせて読みたい記事

TOPへ