公開日:2026年09月09日

  • 製造業
  • デジタル化・AI導入補助金

地域支援機関とともに生産性向上に取り組む企業事例(株式会社丸昇)

IT導入補助金で勤怠管理を効率化

本事例は『IT導入補助金』(令和8年度より『デジタル化・AI導入補助金』に名称変更)を活用した取り組み事例です。 制度名は変更されていますが、デジタル化の進め方や支援のポイントを理解する上で参考になる事例として紹介しています。
株式会社丸昇 代表取締役 安藤明弘 氏(農業事業部が手がける農場の前にて)

この記事のポイント

  • 国内有数のプリント技法数を強みに売上を拡大
  • 勤怠管理システムの刷新により、紙ベースの管理から脱却
  • 企業の成長に合わせて組織体制も強化
Tシャツプリント工場の株式会社丸昇。200を超えるプリント技法数を強みに、売上を拡大してきた。従業員数の増加に対応するため、IT導入補助金を活用して勤怠管理システムを刷新。新しいシステムにしたことにより、従来のシステムでの運用が非効率的であったことに気づいた。
企業規模拡大に伴う新しい課題に対応しながら、同社は成長を続けている。

200を超えるプリント技法を強みに成長

愛知県蟹江町の株式会社丸昇は、1985年に設立されたTシャツプリントの工場である。セレクトショップやアパレルブランドの商品、コンサートやプロスポーツチームのグッズなど、さまざまな衣料品へプリントを行っている。
 同社の強みは、国内有数のプリント技法数である。一般的なものから、ヴィンテージ風、ネオン風、グラデーション、厚盛などの特殊なものまで、その数は200を超える。
「面白いもの、新しいもの、他社ではできないものをずっと考え続けてきた。その積み重ねで、表現できることがどんどん増えていった」と、代表取締役の安藤明弘氏は話す。
ヴィンテージ風の加工など、200を超えるプリント技法を有する
棚いっぱいに並ぶサンプル

事業拡大を機に、勤怠管理システムを見直し

 同社の技術力がアパレル業界内で評判を呼び、近年は既存顧客のリピートに加え、新規顧客との取引も増えてきた。その結果、売上高は2018年度の6.4億円から、2023年度には14.2億円へと大きく増加した。受注増に対応するため、従業員も同期間で60名から100名まで増やしている。
 従業員が増えたことにより、それまで無料の勤怠管理アプリを使っていた千音寺工場でも、より信頼性の高い有料の勤怠管理システムに変更する必要に迫られた。
当初は、本社で使っているものと同じシステムを千音寺工場にも導入する考えでいたが、懇意にしているITベンダーと相談しながら検討した結果、導入から10年ほど経っていた本社のシステムも、この機会にクラウド型のものに乗り換えることにした。その際、ITベンダーからIT導入補助金が活用できるとの提案を受け、申請した。

システムの刷新で気づいた、これまでの業務の非効率

当初は単なるシステムの乗り換え程度に考えていたが、新システムの導入により、毎月の事務負担が大きく軽減されたという。
 
同社では給与計算を社労士事務所に委託しており、毎月の出勤簿を社労士事務所に送付している。
従来のシステムには、PDF形式やCSV形式で出力する機能がなかったため、1人1人の出勤簿をいったん紙に出力し、それをスキャナで読み取ってPDF化したものを社労士事務所に送っていた。
また、出勤簿に修正があれば、紙で出力したものを修正していたので、システムを使っていたとはいえ、最終的には紙ベースでの管理とせざるを得なかった。
 
新システムの導入により、管理画面から出勤簿をCSV形式で簡単に出力ができるようになった。
「従業員30名の頃からずっとそのやり方を続けていたので、それが普通だと思っていた。今思えば、とんでもなく面倒なことをしていた。」と安藤社長は振り返る。
””
新たに導入した勤怠管理システム

企業の成長に合わせ、経営基盤を見直す

同社はさらに成長を続け、直近の売上高は17.7億円、従業員数は136名となっている。企業規模が拡大するにつれて、勤怠管理システム以外にも、新たな経営課題が出てきている。
 
基幹システムの刷新もそのうちの一つである。同社では2019年から2020年にかけて基幹システムを導入したが、すでに現在の売上規模に合わなくなってきているという。
「現行のシステムを導入した当時、売上高8億円規模を想定していた。売上高17.7億円となった今、現行のものでは不都合が生じている」と安藤社長は話す。
 
また、従業員が増えるにつれ、中間管理職の育成も重要な経営課題となっている。同社では、中小機構が運営する中小企業大学校の研修も活用しながら、新任リーダーやその候補者の育成を進めている。

「企業は人」、従業員とともに成長を続ける

同社は「従業員の幸せ」「明るく充実した企業創り」を企業理念に掲げる。2025年度に「あいち女性輝きカンパニー」の認証を、2026年度には「健康経営優良法人 ネクストブライト1000」の認定を取得している。また、「従業員やその家族に無農薬の野菜を届けられるようにしよう」との想いをきっかけに、農業事業部を発足させている。
従業員を大切にすることについて、安藤社長は「企業は人だと思っている。皆が『ここが自分の居場所だ』と思えることで、会社も良くなる。皆が少しずつ頑張ることで、会社の成長にもつながる」と想いを語った。
新しい課題に対応しながら、同社は従業員とともに成長を続けている。
農業事業部で採れた無農薬野菜を従業員に配っている
活用した補助金:IT導入補助金
年度:IT2023
 枠・型:A類型

※IT導⼊補助⾦は令和8年度から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました。
※本ページに掲載している補助金活用事例は過去の補助制度によるものであり、現在の補助制度とは異なる場合があります。最新の補助要件については、必ず公式情報をご確認ください。

企業データ

設立
1985年
従業員数
136名(パート・アルバイト含む)
代表取締役
安藤 明弘 氏
所在地
愛知県海部郡蟹江町富吉3丁目210番地

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