審査のポイントを成長加速化補助金の担当者に聞きました
売上高100億円を目指す中小企業の大胆な投資を支援する「中小企業成長加速化補助金」は、単なる設備投資支援にとどまらず、企業の成長戦略そのものが問われる制度です。本制度の目的や特徴を踏まえたうえで、2次公募に向けて特に意識しておきたい審査のポイントや申請時の留意点について、中小機構の担当者に聞きました。
制度の概要は ▶中小企業成長加速化補助金のご案内をご覧ください。
① 成長加速化補助金の概要(制度の目的・特徴)
中小企業成長加速化補助金は、将来の売上高100億円を目指す成長志向型の中小企業が行う、大規模かつ戦略的な投資を支援する補助金です。
成長意欲の高い中小企業が一段上のステージに進むための設備投資を後押しし、賃上げや地域経済への波及効果を生み出すことを目的としています。
そのため、本補助金では「経営力」、「波及効果」、「実現可能性」の3つの評価軸が審査基準として設定されています。また、審査においては、単なる設備導入の妥当性にとどまらず、当該投資が企業の成長戦略全体の中でどのように位置付けられているのか、さらには地域経済や産業全体への波及効果がどの程度見込まれるのかといった点について、多面的な観点から評価されます。
参考までに、以下のデータは1次公募における採択者と申請全体の各種指標を比較したものです。
例えば、審査基準の1つである「経営力」に含まれる売上高成長率や付加価値増加率、売上高投資比率については、いずれも採択者と申請全体で平均値・中央値とも大きな乖離が確認されています。
また、直近決算期の売上高を見ると、採択者の平均値が29.5億円に対し、申請全体では40.7億円となっており、必ずしも企業規模の大きさが採択に直結していない点も大きな特徴です。

2次公募では制度の基本的な枠組みは維持されますが、1次公募同様に高い採択倍率が想定されます。そのため、これら各種指標を踏まえたうえで、自社の成長戦略の中に補助事業をどのように位置付け、売上や付加価値の増加に繋げていくのかを投資計画書に的確に反映させるなど、より入念な検討や準備が求められます。なお、各種指標において採択者水準を必ずしも満たしていない場合であっても、事業内容や今後の成長の方向性が明確であれば評価につながることがあり、1次公募では実際にそのような事業者も少なからず採択されています。
② 2次公募のポイント
(1次公募との違いやプレゼン審査における心構え)

本補助金は、1次審査(書面審査)と2次審査(プレゼン審査)の二段階で審査が行われます。書面審査では、形式要件への適合状況を確認したうえで、事業計画の効果や実現可能性について主に定量的な観点から評価が行われます。
また、プレゼン審査では、今後5年間程度を見据えた「投資計画書」をもとに経営者自身が成長戦略や投資の考え方を説明し、審査員との質疑応答を行う形式となっており、売上高成長率や付加価値増加率といった数値目標をはじめ、その前提条件や実行プロセスが現実的かどうかの蓋然性を評価する審査が行われます。
また、プレゼン審査では、今後5年間程度を見据えた「投資計画書」をもとに経営者自身が成長戦略や投資の考え方を説明し、審査員との質疑応答を行う形式となっており、売上高成長率や付加価値増加率といった数値目標をはじめ、その前提条件や実行プロセスが現実的かどうかの蓋然性を評価する審査が行われます。
2次公募では、このプレゼン審査において、金融機関の関与やコミットメントの有無が、事業計画の実現可能性を判断する上で、より重視されるようになりました。
確認書を発行した金融機関がプレゼン審査に同席し、申請事業者の財務基盤強化に向けた取組みや、将来性・事業性を適切に評価し、成長資金等に対応する姿勢があるかどうかについても評価の対象となります。
具体的には、投資計画書に新たに追加された「金融機関の見解」の記載内容等を通じて確認されます。なお、「金融機関の見解」を金融機関に記載依頼していただくとともに、別途「金融機関による確認書」も併せて提出が必要になりますのでご注意ください。
確認書を発行した金融機関がプレゼン審査に同席し、申請事業者の財務基盤強化に向けた取組みや、将来性・事業性を適切に評価し、成長資金等に対応する姿勢があるかどうかについても評価の対象となります。
具体的には、投資計画書に新たに追加された「金融機関の見解」の記載内容等を通じて確認されます。なお、「金融機関の見解」を金融機関に記載依頼していただくとともに、別途「金融機関による確認書」も併せて提出が必要になりますのでご注意ください。

以上の変更点を踏まえ、プレゼン審査では、1次公募同様に経営者が自社の成長シナリオをどれだけ自分の言葉で説明できるかが重要なポイントとなります。
単に申請書を整えるだけでなく、「なぜ今、補助金を利用して、この投資が必要なのか」、「売上高100億円の実現に向けて、今後どのような道筋を描いているのか」、「投資・人材・賃上げがどのように連動しているのか」といった点を、経営者自身がプレゼンできる必要があります。
単に申請書を整えるだけでなく、「なぜ今、補助金を利用して、この投資が必要なのか」、「売上高100億円の実現に向けて、今後どのような道筋を描いているのか」、「投資・人材・賃上げがどのように連動しているのか」といった点を、経営者自身がプレゼンできる必要があります。
なお、2次公募全体に係る変更点として、賃上げ要件の内容が一部変更されています。具体的には、賃上げの対象者が従業員のみとなること(1次公募では役員も対象)、目標とする「従業員1人当たり給与支給総額」の年平均上昇率が、全国における最低賃金の年平均上昇率(4.5%)以上であること(1次公募では補助事業実施場所の都道府県における直近5年間の最低賃金の年平均上昇率以上)などが挙げられます。
③ 申請にあたっての留意事項(よくある質問や間違い)

申請書作成にあたっては、次のような点でつまずくケースが多く見られます。
まず、投資内容と成長戦略の関係が不明確なまま申請してしまうケースです。
単に「設備を導入する」「生産性を高める」といった説明にとどまらず、成長投資により創出された利益を従業員への賃上げや更なる投資に繋げていくなど、成長の持続可能性をどのように考えているかまで落とし込むことが求められます。
次に、賃上げ要件の理解不足です。
賃上げは加点要素ではなく、制度の根幹をなす申請要件の一つです。達成可能性を十分に検討せずに高い目標を掲げてしまうと、補助金の返還といった事態が生じてしまう可能性があります。
また、申請書全体を通じて、数値の整合性も重要なチェックポイントです。
事業計画上の数値計画と、将来見通しの間に矛盾があると、計画の実現性に疑問を持たれてしまいます。金融機関の担当者と一緒に読み直すことも有効です。
以下は1次公募におけるプレゼン審査員の感想です。併せてご参考ください。

④ 事業者へのメッセージ(加速化補助金が応援したい企業像)

成長加速化補助金が応援したいのは、
- 強み・弱みが分析されており、投資計画に必然性と再現性がある企業
- 金融機関のファイナンスと成長加速化補助金をご活用いただくことで、これまでの投資を超えた成長投資を実現し、それによって売上成長が加速する企業
- 投資が、明確に付加価値向上につながり、次なる人・設備・技術への投資につながっていく企業
です。
売上高「100億円」は成長シナリオにおける通過点にすぎません。その中で補助金をご活用いただくことで、より持続的な競争力や、社会や地域経済に対し更なるインパクトをもたらす蓋然性の高い投資計画をご検討いただきたいと思います。
参考情報(リンク)


