マンガでわかる「補助金入門①基礎知識」

マンガでわかる補助金入門(基本知識編)
補助金とは、国が政策目標(めざす姿)を実現するために、企業や個人事業者が、新たな取り組みをするときにかかる費用の一部をサポートする制度です。
借入金ではないので、原則として返す必要はありませんが、補助金のことをよく理解せずに使うと、かえって経営の負担になったり、無駄な投資になってしまうことがあります。
補助金入門【基本知識編】では、補助金の仕組みやルールについて紹介しています。
※補助金には様々な種類がありますが、ここでは「中小企業庁所管」の補助金について説明しています。

補助金によって、「目的」と「ルール」は異なる

補助金は、政策目標を実現するための支援制度であり、補助金ごとに設定されている「目的」や「ルール」 は異なります。
大切なのは、補助金の目的を正しく理解し、自社の戦略に合った補助金を選ぶことです。目的と戦略がずれてしまうと、せっかく補助金をもらっても、経営に役立たなかったり、逆に負担になったりする可能性があります。
また補助金によって、補助金の対象となる事業者の範囲(誰が使えるのか)、対象になる費用(何に使えるか)、補助率(経費の何割を補助してもらえるか)、上限額(最大いくらまで補助してもらえるか)など異なります。また、「従業員の給料を上げること」など、必要な条件がつくこともあります。
設備導入を支援する補助金では、従業員20人以上の事業者の方には次世代育成支援対策推進法の一般事業主行動計画の届出を要件にしているものもありますので、早めに準備しておくことが必要です。
ですから、補助金の利用する前には「ルールブック(交付規定や公募要領等)」をよく読み、ルール(条件や規則)を十分に理解してから申請してください。
また同じ補助金でも、年度や公募回によってルールが変わることもあります。必ず最新の交付規定や公募要領等を確認しましょう。
 
自社の戦略に合った補助金を選ぶことが重要です。
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補助金に共通するルール

補助金に共通するルールとしては、以下のようなものがあります。補助金を利用するにあたって、理解してください。

必ずもらえるわけではない

補助金は、助成金とは異なり、必要な条件を満たして申請したからといって、必ずもらえるというものではありません。提出された事業計画や決算書などの書類を「審査」し、その事業が補助金を受けるにふさわしいと判断された場合に「採択」されます。そして、採択された後に、必要な手続きをしてはじめて補助金をもらうことができます。

自己負担がある

補助金には「自己負担」があります。補助率によりますが、事業にかかる費用のおおよそ1/2~1/3は自分で負担する必要があります。補助金には上限がありますから、その金額を超えた部分は自己負担です。事業費にかかる消費税は補助の対象外なので、自分で全額負担します。自己負担分のお金をどうやって用意するか、資金繰りに無理がないかを、事前によく考えることが大切です。

補助金は後払い

補助金は、後払い(清算払い)です。事業が計画どおりに実施され、かかった費用を支払ったことが確認されてから、初めて受け取ることができます。事業の途中で、もらうことはできません。
事業期間は数か月から1年に及ぶこともありますが、その間の費用は一度、自分で立て替える必要があります。自己資金だけで立て替えるのが難しい場合は、つなぎ資金の調達を検討する必要があります

返還・返納のケースに注意

補助金は「返済不要」と言われますが、場合によっては返還や返納を求められることがあります。たとえば、補助金で購入した設備を目的外に使った場合、書類提出や報告などの義務を怠った場合、補助金のルールを守らなかった場合などです。
このようなトラブルを防ぐためにも、交付規定や公募要領を読み込み、分からないことは事前に支援機関や補助金事務局に確認してください。
 
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補助金は、事業を成長発展させるための「手段」

補助金を活用することで、資金繰りの負担を減らし、投資のリスクを抑えることができます。資金基盤が十分でない中小企業や小規模事業者にとって、魅力的な支援制度です。
ただし、補助金はあくまで事業を成長させたり、課題を解決したりするための「手段」です。もし「補助金をもらうこと」自体を目的にしてしまうと、長期的な経営戦略を誤り、不要な投資をしてしまう恐れがあります。その結果、補助金がかえって経営の足かせになってしまうこともあります。
また、補助金に依存したビジネスモデルでは、持続的な成長は期待できません。補助金がなくても自力で継続できるビジネスモデルを構築することが大切です。その上で補助金を上手に活用すれば、事業の力強い後押しとなるはずです。
そのためには、課題解決や持続的な成長を目指した経営戦略が必要です。「補助金ありき」ではなく「戦略ありき」の視点で、補助金を活用してください。
 
補助金の活用方法に悩んでいる方は、他の事業者の事例を参考にするのもおすすめです。
実際の活用事例は、こちらのページでご覧いただけます。
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